飲食店の創業を準備する際、商圏の想定売上から計算を始めると、店舗が毎月負担すべき費用を過小評価しやすい。契約前には、売上の発生有無にかかわらず支出される固定費を先に確定し、変動費を加えて損益分岐点と最低必要売上を算出しなければならない。会計上の損益だけでなく、融資元金の返済や資金入金のタイムラグまで反映したキャッシュフローの検討も必要になる。

まず固定費の一覧を確定する

固定費とは、売上がない場合や期待に届かない場合でも、決められた時点で支出される費用である。賃料だけを確認するのでは不十分だ。管理費、売上に関係なく維持しなければならない基本人員の人件費、融資利息、ロイヤルティ、通信費、セキュリティ・防疫・会計・注文システムなどの定期利用料、必須設備の維持費を項目別に区分する必要がある。

登録図書であるカン・ジョンホン(강종헌)著の外食業創業成功戦略は、損益分岐点は売上目標ではなく、費用構造から検討を始めるべきだと説明している。見落とした費用はなくなるのではなく、運営中の資金圧迫として現れる。そのため固定費の算出は、楽観的に見積もる作業というより、契約書、見積書、勤務表、融資返済条件を根拠に確定する作業に近い。

人件費は、すべてを固定費にまとめたり、すべてを変動費として処理したりしてはならない。店舗を営業するために、売上に関係なく必要となる調理・接客の基本人員の給与と事業主負担分は固定費に含める。週末、繁忙期、注文増加に応じて投入時間を調整できる追加人員の費用は、変動費または準変動費として別に管理するほうが現実的だ。

月間費用を1日・1時間単位に分ける

月間固定費を計算したら、暦上の日数ではなく、実際の月間営業日数で割って1日当たりの固定費負担を確認する。さらに1日平均営業時間で割ると、1時間当たりの最低負担額が分かる。定休日、半日営業、閑散期の営業時間短縮を除外しなければ、1日・1時間当たりの負担が実際より低く算出される。

ただし、この金額自体が目標売上になるわけではない。食材費、包装費、カード決済手数料、デリバリー関連費用など、売上に応じて増える変動費が含まれていないためだ。最低必要売上は、月間固定費を、売上に占める変動費率を差し引いた限界利益率で割る方法によって検討できる。メニューごとに原価や販売経路が異なる場合は、一つの平均原価率だけを適用せず、店内・テイクアウト・デリバリーの売上構成を反映する必要がある。

売上目標を注文可能性から検証する

算出した月間の損益分岐点売上は、実際の営業日数で割り、1日当たりの最低必要売上に換算する。さらに客単価で割ると、1日に必要な注文数または顧客数が分かる。座席数と可能な回転数、テイクアウト・デリバリーの処理能力、調理時間、ピークタイムの人員を当てはめれば、目標が物理的に達成可能かどうかを確認できる。

必要な顧客数を確保するために、座席では対応しにくい回転率が必要になる場合や、その商圏では期待しにくい客単価を前提としなければならない場合は、想定売上を高く書き換えて解決できる問題ではない。店舗規模、賃貸条件、メニュー価格、営業時間、人員構成を再設計する必要がある。

損益計算書とキャッシュフロー表を分けて確認する

金融費用を検討する際は、利息と元金返済を区分しなければならない。融資元金の返済は会計上の費用処理とは異なる場合があるが、毎月利用できる現金を減少させる。したがって、損益分岐点の計算には該当する会計基準に沿った支払利息を反映し、月次キャッシュフロー表には利息と元金返済額、返済開始時点、据置期間をすべて記載する必要がある。

カード売上やデリバリー売上は、販売時点と入金時点が異なる場合がある一方、賃料、給与、食材代は約定日に支出される。前払いの広告費や保守費、大量に購入した在庫も先に現金を拘束する。帳簿上は黒字が見込まれていても、支払日ごとの残高が不足する可能性があるため、月間合計だけでなく、資金の流入・流出時点も併せて確認しなければならない。

運転資金で耐えられる期間を計算する

開業直後から想定どおりの売上が形成されるという前提は避けるべきだ。計画売上を下回る状態が続く場合と、売上の形成が遅れる場合に分けて月ごとの資金不足額を計算し、保有する運転資金で固定費と必須変動費を何カ月負担できるか確認する必要がある。追加資金の投入上限と費用を調整する時点も、契約前に決めておくことが求められる。

  • 固定費表:賃料、基本人員の人件費、管理費、金融費用、定期契約費用を支払日とともに記録する。
  • 損益計算書:販売経路別の変動費率を適用し、損益分岐点と1日当たりの最低必要売上を計算する。
  • キャッシュフロー表:融資元金、在庫購入、前払い費用、売上入金のタイムラグまで反映する。
  • 運転資金表:売上未達時の資金枯渇時点と追加投入の上限を定める。

店舗候補を比較する際も、賃料の高低だけを見てはならない。広い店舗に必要な基本人員、長い義務営業時間、老朽設備の維持費、実際に使用できる座席数と回転可能性を合わせた総固定費の構造で判断する必要がある。想定売上は検証の対象だが、固定費は契約と同時に現実となる。負担可能な費用構造を先に定め、その構造を上回る売上の可能性を検証するという順序が、店舗契約のリスクを抑える。

出典・参考資料외식업 창업 성공전략