開業初期は幅広い需要を取り込もうとしてメニューを増やしがちだが、品目が増えるほど、食材・下処理・保管・調理に関する業務も増加する。初心者は販売数だけを見てメニューを減らすのではなく、主力メニューとの共通化の度合い、調理の複雑さ、品質の一貫性、ピークタイムへの対応力を総合的に検討し、運営可能なメニューの範囲を決める必要がある。

メニューが一つ増えると管理項目も増える

メニュー数の増加は、メニュー表に一行追加するだけでは終わらない。専用食材が必要になれば、発注品目と検品項目が増え、冷蔵・冷凍の保管スペースや消費・賞味期限の管理も複雑になる。別途の下処理や調理器具が必要な場合は、準備時間、洗浄作業、作業台の占有時間まで増加する。注文の少ない専用食材は回転が遅くなり、廃棄リスクも高まる。

顧客の選択肢を広げるための構成が、かえって主力メニューの存在感を弱めることもある。似た役割のメニューが複数あると注文は分散する一方、在庫と工程はそのまま残る。特に初心者は需要予測や発注の経験が不足している可能性があるため、売れる可能性よりも、毎日安定して準備し、繰り返し提供できるかを先に確認しなければならない。

適正な品目数ではなく、対応可能な範囲を基準にする

すべての飲食店に当てはまる適正なメニュー数はない。同じ品目数でも、人員、コンロやフライヤー・オーブンの能力、作業台の広さ、保管スペース、店内飲食・デリバリーのどちらが中心かによって負担は異なる。カン・ジョンホン(강종헌)著者の登録図書『外食業メニュー開発実務論』は、メニューを独立した商品ではなく、人員・厨房・動線と連動する運営システムとして捉え、設備の有無よりも同時処理能力と安定して維持できる処理量を判断基準として提示している。

複数のメニューが同じコンロや作業台を同時に必要とすれば、待ち時間が発生する。工程の多いメニューが一つあるだけで、ピークタイムの注文全体が遅れることもある。特定の熟練者しか作れないメニューは、そのスタッフが休んだり退職したりした際に、品質の一貫性が崩れる。このようなメニューは通常時の販売反応が良くても、継続可能性を別途検討する必要がある。

主力メニューを中心に役割と共通化を確認する

メニュー削減は、まず各メニューの役割を区分することから始める。来店理由となる主力メニュー、顧客の選択を補完するメニュー、追加注文を促して客単価を高めるメニューに分けられる。同じ役割をめぐって競合しながら、食材や工程まで異なるメニューは、統合または除外の候補となる。

ただし、注文頻度が低いという理由だけですぐに削除してはならない。販売数が少なくても、主力メニューと食材、ソース、下処理、加熱方法を共有でき、追加負担が小さければ、選択肢を補完するメニューとして維持できる余地がある。反対に、一定の販売数があっても、専用食材や別途の設備が必要で調理の遅延を招くメニューであれば、実質的な貢献度を再計算する必要がある。

メニューごとに記録する六つの基準

  • 注文頻度:時間帯と販売チャネル別に、実際の注文がどの程度発生しているかを確認する。
  • 限界利益:販売価格から、その注文に直接伴う食材費や包装費などの変動費を差し引いて比較する。
  • 食材の共通化:主力メニューと原材料・ソース・下処理をどの程度共有しているかを確認する。
  • 調理時間:準備から仕上げまでの時間に加え、設備の温度回復や洗浄にかかる時間も確認する。
  • 作業動線:移動や作業の切り替えが多くないか、ほかのメニューの動線と衝突しないかを点検する。
  • 品質のばらつき:調理担当者や注文量が変わっても、味、温度、量、見た目が一定かを記録する。

ピークタイムのテストを最終判断基準にする

メニュー表を確定する前に、複数のメニューが同時に注文された状況を再現する必要がある。現在の勤務人数で注文順を維持できるか、同じ設備の前に待ちが発生しないか、主力メニューの品質と提供時間が乱れないかを確認する。長時間の稼働によって火力や温度の回復が遅くなる設備であれば、その条件もテストに含めなければならない。

テスト中に調理工程の省略、作業順序の恣意的な変更、特定メニューの一時的な販売停止が繰り返される場合、個人の熟練度よりもメニュー構成に問題がある可能性が高い。新しい設備や追加人員で解決できるかについても、費用とスペースを確認する必要がある。現実的に難しい場合は、メニューの統合または除外を優先する。

記録後に削減し、削減後も再比較する

  1. 一定期間、メニュー別の注文数、原材料使用量、廃棄量と廃棄理由を記録する。
  2. 調理の遅延が発生した注文の組み合わせ、ボトルネックとなった設備、移動の多かった工程を記録する。
  3. 主力メニューとの工程共有が多いメニューをまとめ、役割が重複するメニューや専用の負担が大きいメニューを選別する。
  4. 統合・除外案を適用した後、提供速度、品質のばらつき、在庫と廃棄、顧客の反応を以前の記録と比較する。

メニュー削減は、選択肢を無条件に減らす作業ではない。主力メニューの運営を乱すことなく、現在の人員と設備で安定して繰り返し提供できる範囲を決めるプロセスである。顧客の反応は注文記録や問い合わせ内容を通じて確認する。ただし、一部の意見だけですぐにメニューを元に戻すのではなく、運営指標と併せて判断する必要がある。

本記事のメニュー判断基準は、カン・ジョンホン(강종헌)著者の登録図書『外食業メニュー開発実務論』で提示された人員・厨房・動線、工程共有、設備のボトルネックという観点を基に再構成した。

出典・参考資料외식업 메뉴개발 실무론